活躍が望まれる異色の男

2017年12月の寒空の下、日産フィールド小机に足を運んだサポーターの方々に、「2018年シーズン期待する選手は誰ですか?」と質問したところ10人中6人が背番号26番のイッペイシノズカと答えた。

 

イッペイシノズカは千葉県出身でありながらロシア国籍である。16歳の時に起きた東日本大震災後にロシアに一時避難をしいられる。ビザの関係もあり、余儀なくされロシアでの生活がスタートすることになる。

 

ロシアでは、アカデミア・チェルターノバ・モスクワの入団テストに合格した。

中学時代から、身長が10cmも伸びたこともあり、スピードがあがり、ドリブルを武器に活躍し、ロシアの強豪スカウト陣から目に留まり17歳の時に、ロシアの名門スパルタク・モスクワと3年契約する。

 

契約後は、ユースチームに所属し、ロシアクラブユース全国大会で大会ベストMFに選ばれた。その活躍が認められU-18のロシア代表に選出された。

 

2013年シーズン後半戦にリザーブチームに召集され、FCクラスノダール戦に初出場。

2013-14シーズンにはトップチームに昇格し、アバンギャルド戦で後半29分から登場し、プロデビューを飾る。そのあとはチャンスがなく、リザーブチームで経験を積む。

2016-17年シーズンの前半戦はリザーブチームのスタメンとして出場していたが、後半戦に入ると、徐々に出場機会を失い、スパルタク.モスクワを5月に退団。

 

2017年8月に横浜F・マリノスに加入。9月23日のヴァンフォーレ甲府戦で後半27分から出場し、Jデビューを飾ると、その試合でいきなりゴールを挙げる活躍(試合は3-2で敗れる)。

しかしそのあとはなかなか出場機会がなく(6試合で166分)サポーターからは、『彼が生きる使い方をしていない』と不満の声がこぼれた。

 

今シーズンは新監督のアンジェ・ポステコグルーのもと、齋藤学や、マルティノスが抜けた両翼のスタメン争いでは遠藤渓太、新加入のユンイルロクがファーストチョイスであり、熾烈なスタメン争いに勝つ必要がある。